2018年3月23日金曜日

鈴鹿峠の鏡岩(三重県亀山市関町)




三重県と滋賀県の境にまたがる標高378mの鈴鹿峠は、仁和2年(886年)に開通した古い峠であり、箱根峠と並ぶ東海道有数の難所として有名である。

鈴鹿峠の南西側急斜面上に三重県指定天然記念物「鈴鹿山の鏡岩」がある。

suzukatouge

suzukatouge

別名「鬼の姿見」といい、立烏帽子という鬼女が鏡代わりに使った岩だといわれる。

山賊がこの岩で待ち伏せしていて、鏡岩に映った旅人を襲ったという伝説もある。

かつてこの岩には一面に青黒く光る鏡肌(硅岩が断層によってこすれたもの)があったらしいが、明治初年の山火事により岩が損傷し色も赤褐色に変わってしまい、後の風化・採取なども影響し現在では明瞭な鏡肌は認め難くなっている。

鏡岩から北100mの茶畑から平安時代の土師器片417点、須恵器片14点が見つかっており、非実用的な小皿が大半を占めることと立地環境から峠神祭祀遺跡と考えられている。

峠神が降臨したのが鏡岩ではないかと見る向きもあるようだが、土器群が鏡岩の手前から出土しているなら肯けるが、土器群の出土地点からは直接鏡岩を拝むことはできず、これら土器祭祀が鏡岩を志向していたかどうかは判断保留したい。

『勢陽五鈴遺響』(1833年完成)によると「鏡石ト云巨石アリ毎二月八日土人注連ヲ牽キテ不潔ヲ避ク」という記述がある。

永仁2年(1294 年)に鈴鹿峠の北にそびえる三子山から鏡岩の近くに田村神社が遷座し、鏡岩から田村神社の一帯を「たまや」と呼んでいたという。少なくとも中近世のある時期から、鏡岩が神聖視の対象であった可能性がある。

出典

関町教育委員会・編 「庶民の旅」 『鈴鹿関町史』上巻 関町役場 1977年
山田木水 「巨岩洞窟」 『亀山地方郷土史』第3巻(三重県郷土資料叢書第32集) 三重県郷土資料刊行会 1974年
林宏 「鈴鹿峠の鏡岩」 『鏡岩紀行』 中日新聞社 2000年

0 件のコメント:

コメントを投稿