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2021年10月24日日曜日

石馬寺と雨宮瀧神社の岩石信仰(滋賀県東近江市)


滋賀県東近江市五個荘石馬寺町 瓜生山

 

石馬寺(いしばじ)は、北は猪子山から南は観音寺山まで続く繖山系のなかで、中央部あたりにそびえる瓜生山の麓に所在する。

寺伝の『石馬寺創建縁起』によると、聖徳太子が霊地を求めて当山を登り、山麓へ戻ると太子が乗っていた馬が沼に沈んで石化していたという。このことに霊威を見出した太子は、当地に寺院を建てたとある。

現在、石馬寺の前の池の中には、「駿馬化石」と標示のなされた岩石が沈んでおり、石化した馬とされている。石馬寺の名が「馬の寺」にちなむ所以である。

駿馬化石

さて、太子が登ったという石馬寺背後の瓜生山を約20分登ると、山頂近くの雨宮瀧(あめみやりゅう)神社に至る。

社殿前には、大きく南側と北側の2つのグループに分かれて岩石群が分布している。

雨宮瀧神社 岩石群(南側)

玉垣内には岩石と樹木の群れが確認でき、注連縄を巡らしている。

南側の岩石群は石造の玉垣で囲繞されており、注連もかけられていることから、神聖視された岩石群であることがはっきりわかる。

玉垣内には、板石状の3体の岩石が目立ち、それを支えるかのように樹木が数本繁る。

雨宮瀧神社 岩石群(北側)

北側の岩石群は、南側よりも一回り大規模な岩石群である。

玉垣で囲われてはいないものの、岩肌には各種の観音や神名が刻まれているのを確認できているので、これらも神聖視の対象となった岩石だったことが窺われる。

北側と南側のいずれも、特定の岩石の名称は付されていないようだ。


藤村浩一氏『磐座紀行』(向陽書房、1982年)の調べでは、雨宮瀧神社は『木曽名所図会』(木曽路名所図会の誤りか)で八大龍王社とあるのと同じで、石馬寺の鎮守で、寺に隣接する六所神社の奥の院に位置づけている。


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