解題
『泊瀬神秘之事』は、天理大学附属天理図書館が所蔵している古文献である。天正9年(1581年)の日付が記されているが、これが原本の制作年か、写本としての制作年かははっきりしない。著者の署名はなく不明。
近年まで全文が公にされることはなかったが、横田隆志氏によりその全文の翻刻がなされており、詳細は氏の論文「天理大学附属天理図書館『泊瀬神秘之事』」(『大阪国文』第四十一号、2011年)を参照されたい。
本書は、初瀬の地の地名の由来を項目別に紹介するという体裁をとっており、この中に与喜山の岩石信仰に関わる部分も記されている。横田氏論文に基づいて、重要部分を以下に紹介しよう。