2016年11月10日木曜日

参考文献~オンライン文献~

旧ホームページより掲載します。

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本間久英 「民俗学的文献中の石に関する資料」 『東京学芸大学紀要 第4部門 数学・自然科学』47 1995年  
地学の研究者が、民話に登場する岩石を地学的に研究するために、手始めとして『柳田国男全集』など民俗学の文献に登場する「~岩」「~石」の名前を抽出してリスト化。結果的にこれら民話の岩石が地学的にどのように肉付けされたのかが知りたいところ。

佐々木英夫 「日本の祭りの原初的形態について 榛名神社の神事の事例研究を中心として」
榛名神社の御姿岩について詳細な論文。内部を伺うことのできない秘儀の様子を各種文献から紹介しており資料価値が高い。

佐々田俊夫 「子どもが好きな石の形-『結晶の不思議展』開催報告-」 『愛知教育大学教育創造開発機構紀要』vol.2 2012年
愛知教育大学付属図書館で行われた展示会に来場した子どもたちに、好きな結晶の形をアンケートしたものの結果。星や太陽に似た形が人気。後天的な知識が影響しての結果と思うがなかなか面白い。

運上司子・橘玲子・長谷川早苗 「風景構成法に表現される『石の大きさと位置』-青年期を対象として-」 『新潟青陵大学大学院臨床心理学研究』vol.3 2009年
現代の若者に、石が登場する風景画を描かせた実験とその結果。石は古来から哲学的なものや宗教的なものとつながりが深かったが、実験結果では現代の若者が石とは意識的に遠いところにおり、石を描くことに戸惑いがあったことを示した。

綿田弘実 『中央自動車道長野線埋蔵文化財発掘調査報告書13 鳥林遺跡・小坂西遺跡・鶴萩七尋岩陰遺跡・赤沢城跡・塩崎城見山砦遺跡・地之目遺跡・一丁田遺跡』( 長野県埋蔵文化財センター発掘調査報告書16) 財団法人長野県埋蔵文化財センター 1994 年
長野県鶴萩七尋岩陰遺跡については、弥生時代に葬送地として、古墳時代中期~後期に巨岩の上部で岩上祭祀、後に岩陰祭祀が行われたとする磐座説が提示されている。福岡県沖ノ島以外での岩上祭祀の類例として注目したい。

B.ダムリンジャブ・著、ボルジギン・オルトナスト・訳「オイラトの英雄民話、英雄叙事詩における岩石崇拝の観念」『千葉大学 ユーラシア言語文化論集』9 2006年
モンゴル~ウイグル地域に居住するオイラト族の、岩石に対する信仰心や神秘の念を紹介。なぜ岩石は、岩石に非ざるはずの性質や気持ちを人に想起させるのか。人にあまねく存在する岩石信仰の可能性を感じる一考。

吉嗣敬介 「石穴神社 奥の院 調査報告」
平成15年度の大学の宗教考古学学年末レポート。福岡県太宰府市の石穴神社の奥の院は大小の岩石が積み重なり内部の穴を信仰空間とする。著者は石穴神社を生家とする現跡継ぎというのもすごい。

椙山林継 「記念講演『日本列島における石信仰』」 加藤元康・阿部昭典・編 『秋田県北秋田市石倉岱遺跡の調査概報』(國學院大學伝統文化リサーチセンター考古学調査報告) 國學院大學研究開発推進機構伝統文化リサーチセンター「祭祀遺跡に見るモノと心」プロジェクト 2011年
椙山氏の講演録。大場磐雄博士の業績をなぞる形で、石信仰のいろいろなかたちを紹介。講演という性質もあり特に何らかの結論を出すものではなく、トピックを提示して今後の検討を仰ぐスタイル。

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インタビュー掲載(2024.2.7)