2020年2月29日土曜日

大田神社の蛇の枕(京都府京都市)


京都府京都市北区上賀茂本山 大田神社境内

大田神社は上賀茂神社の境外摂社で、上賀茂神社の手前を通る東西道を東へ進むと案内が出ている。

この大田神社境内にあるという「蛇の枕」は「雨石」とも呼ばれ、蛇が枕とした石だという。
蛇は雨を降らせると信じられ、蛇がいる枕元で雨乞いをしていたらしい。

現地で観察すると、蛇の枕は境内を流れる小川の川底にあり、水面からちょこんと顔を出していた。

鳥居前の石橋の右側の川底を覗き込むと

写真下部やや右側に、川底から少しだけ顔を出しているのが蛇の枕

真上から撮影

雨乞いの儀礼は少々荒っぽく聞こえるが、この雨石を農具(鉄器)などで叩く。そうすると枕を叩かれた蛇が、怒って雨を降らせるという構図らしい。
蛇は人間を困らせるために雨を降らせるが、人間にしてみれば雨が降らない時にこれをやれば大助かりという理屈である。

この雨石はさしずめ、霊的存在である蛇がいる霊域を単独の岩石で可視化すると同時に、石の上に蛇が現れるという構図をもつ憑依物であり、石占としての祭祀装置の機能も兼ね揃えていると言える。

参考文献

京都新聞1999.7.8付「大田神社の蛇の枕」(岩石と語らう141)

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