2020年4月11日土曜日

知恩院の岩石祭祀事例(京都府京都市)


京都府京都市東山区林下町

法然が説法を行なった場所で、現在は浄土宗の総本山。
知恩院の境域に分布する岩石祭祀事例を紹介する。

知恩院

瓜生石


瓜生石。融雪剤の置き場となっていたのが印象深い。

知恩院の七不思議とは「鴬張りの廊下」「白木の棺」「忘れ傘」「抜け雀」「三方正面真向の猫」「大杓子」「瓜生石」を指す。
瓜生石は黒門の前の道の真ん中に柵で囲われている岩盤であり、意識しなければ誰も目に留めないような存在感だが、込められている伝説は豊富である。


  • 知恩院が作られる以前から存在していた岩石という。
  • 誰が植えたわけでもないのに、瓜生石の上に瓜のつるが一夜にして繁り、実がなったという。
  • 瓜の上には「感神院新宮」(現・粟田神社を指す)と記された金札が置かれていたという。
  • 瓜生山に降臨した祇園の牛頭天王が、瓜生石の上にも降臨して瓜を実らせたという。
  • 瓜生石の地中には、二条城への抜け道が隠されているという。


瓜が実るという「産み」の性質を持ち、神札や牛頭天王の降臨石としての伝承を持つ。これを受けて、粟田神社では毎年9月14日の丑の刻に、神列が瓜生石の周りを三回回る「れいけん」という祭祀が行なわれた。

影向石



勢至堂向かって右側の崖下の岩盤。法然が臨終を迎えた時、加茂明神がこの石の上に降臨したと伝えられる。

慈鎮石


手前左下の四角い石が慈鎮石

有料の方丈庭園内にあり、別称「慈鎮坐禅石」「和尚石」。
慈鎮(慈円)和尚の座禅石と伝えられ、元々は山門の前にあったが天和年間(1681~1684)に現在地へ移され、庭園の一角を彩る庭石となった。
門の前にあったという点で、瓜生石と類似したものを感じさせる。

二十五菩薩の庭



知恩院所蔵「阿弥陀如来二十五菩薩来迎の図」をモチーフに作られた石庭で、石が仏菩薩、植え込みが来迎雲を表している。
臨終の際に念仏を唱えればこのような来迎に預かれるという教えに基づいている。

三尊石



方丈庭園の奥にある山亭庭園の北西隅に配された庭石のこと。阿弥陀三尊を表現するという。京の町並みを遠望できる好立地にある。

仏足石


唐門奥の非公開の空間内に存在する。
大理石製。仏足石の多くは平置きされているが、当地の仏足石は立ててあるのが特徴だという。

参考文献


  • 竹村俊則 『洛東下』(昭和京都名所図会2) 駸々堂出版 1981年
  • 浅木結・倉橋みどり・首藤真沙保 『知恩院散策記』 浄土宗総本山知恩院 2009年
  • 現地看板


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