2022年12月12日月曜日

破石と御座石(三重県伊勢市)


三重県伊勢市二見町溝口(現・光の街)


二見町内を流れる五十鈴川沿いに、名の知られた二つの岩石が残る。

破石(われいし)




鎌倉時代の紀行文『とはずがたり』に、二見浦の記述で雷が蹴り裂いた石が登場し、これが破石のことを指すとされている。

(皇學館大學伊勢志摩百物語編集委員会『伊勢志摩百物語~磐座の聖地めぐり~』https://www.kogakkan-u.ac.jp/campusview/catalog/isesima100monogatari_02/#page=1


令和の「鬼滅の刃」ブームで、全国各地の二つに割れた石が同作品の聖地として半ば町おこし的に取り沙汰されたが、その一事例として挙げることができる。たとえば2021年の下の記事などで取り上げられている。

「鬼滅」の巨岩?忘れ去られた名所を住民たちが「発掘」:朝日新聞デジタル

そのブームにより知名度が上がったために、2022年には心なき者により岩肌にスプレーで落書きされてしまったことも記憶に新しい。

落書きは完全には消えず、岩石の歴史として内包したまま今に存在する。


御座石(ございわ)

五十鈴川の川中に存在。

干潮時は石頂が水面上に現れるというが、探訪時は沈んでいた。

1895年刊行の『神都名勝誌』(神宮司庁編)に「御座石 三津湊より西三町許、川の北岸にあり」と紹介されているのがそれか。

(「新日本古典籍総合データベース」内の神都名勝誌447コマ目に記述あり。https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100191287

倭姫命がこの石の上で暫し休憩したことからその名があるといい、石の形を魚にたとえているのが珍しい。

伊勢神宮の贄海神事では、この石の前で船を泊めて祝唄をうたったともいう。
(「浜参宮だより~二見と伊勢とその近辺と~」http://hamasanguu.seesaa.net/category/7368751-1.html


アクセスについて

破石・御座石を車で訪れる場合、近くに駐車はできない。

伊勢市が公式に指定する駐車場は「朝熊山麓公園」の駐車場となっている。
(「伊勢志摩公式ナビ」https://www.iseshima-kanko.jp/spot/2959

公園駐車場から徒歩で御座石まで徒歩20分、破石まで徒歩30分をみておきたい。

朝汐橋を渡りすぐ西に入る小径があるのでそこを歩くとたどりつく。


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インタビュー掲載(2024.2.7)