2025年7月6日日曜日

オミタケ(愛知県田原市)

愛知県田原市白谷町犬喰

白谷には「オミタケ」と呼ばれる岩壁がある。これも高さが5m程の岩壁で、以前は根元に祠があったそうだが、今は礎石のみ残っている。字名は犬喰という。
中根洋治『愛知発巨石信仰』愛知磐座研究会 2002年
同書には白谷の見取位置図が掲載されているが、文字どおり簡潔な地図であり正確な位置がわからない。

中根氏が作成したルートから推測した場所がGoogleマップの中央に示したポイントだが、現地を訪れたところ路傍東側に若干の露岩が確認できた。しかし5mという岩壁の規模には及ばない。
また、草木が繁茂しているため確信が持てないが、石礫が散乱しているものの礎石らしき石材は確認できなかった。

34.67949, 137.23275 座標地点

露岩だが岩壁とまでは言えない。

草むらの中に石礫の散乱は確認できるが、浮石であり礎石とは認めづらい。

道の傍らではなく、道の東側の斜面を少し分け入って登らないと岩壁に出会えないのかもしれない。

この地点のすぐ南で農作業中の方がいらっしゃった。
中根氏の本の写真を見せながらオミタケという名前やこの近くに岩がないかを尋ねたが、存じ上げない反応だった。
ご高齢の女性の方だったので思い当たる記憶がないか期待したが、予想地点の横で畑を所有される方でも心あたりがないのであれば、これ以上の調査はなかなか難しい。


ところで、中根氏地図が指し示すポイントからはやや北に外れてしまうが、Googleマップに示した畑の一画に下写真の光景が存在する。

34.68085, 137.23346 座標地点



まさに高さ5mほどの岩塊の隣にプレハブの建屋が接している。これは何か。

中根氏写真とは異なり、隣に接するのは祠跡というより作業小屋然とした建屋であり、岩石の形状も岩壁という佇まいではないのでオミタケとは別の存在と思われるが、中根氏の言及はない。

畑の所有者の方に出会えれば文章化されていない歴史が語られるかもしれないが、現状としては不明の岩石として報告のみしておく。