愛知県豊橋市大岩町北元屋敷
大岩町には他に岩屋観音などの岩のまつり場があるので、地名由来となった大岩がどれを指すかははっきりしない。
伊宝石神社の社殿の後方にある大岩に、縦二メートル、横一メートルの洞穴がある。そこに水がつねにたまっている。この水をもらってきていぼにつけると、よくいぼが取れるという。
堀田吉雄 編著『東海の伝説』,第一法規出版,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12467820 (参照 2025-10-06)
伊寶石(伊宝石)はイボ(疣)の当て字である。
全国各地に広がるイボ石信仰の一事例であるが、多くが岩石単独で残るのに対して、いぼ石の手前に社殿を設けて神社にまでなったという点においては比較的珍しい事例である。
勧請は弘安7年(1284年)とされ、天保15年(1844年)には疣石本社の名も伝わる(愛知県神社庁 編『愛知県神社名鑑』,愛知県神社庁,1992.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13223261 (参照 2025-10-06))。
水が溜まる場所は文献によって洞穴や窟などと記されるが、実際は岩石の頂面の窪みに溜まった水という表現が正確である。
伊寶石神社 |
社殿の背後にあるいぼ石 |
岩石の頂面には今も水が溜まる。 |
大岩町には他に岩屋観音などの岩のまつり場があるので、地名由来となった大岩がどれを指すかははっきりしない。
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