2022年2月20日日曜日

桑名の石取祭と桑名宗社の岩石信仰(三重県桑名市)


三重県桑名市本町 桑名宗社(春日神社)

 

拙著『岩石を信仰していた日本人』で、一節を設けて報告した場所。

石取祭で集められた石を俵に詰める(2010.8.1撮影)

献石俵は各町単位で奉納される。

俵から栗石の輪郭が浮き上がる。

俵の周りの敷石は、かつての石取祭で拾われた献石の一部。

祭りが終ると、俵の石は境内の玉砂利として敷かれる。

境内の陽石(夜泣石)

栗石を拾う町屋川

拾われる石の条件・目安もあるとか。


「日本一やかましい祭り」として有名な桑名の石取祭。
コロナ禍のため、大変残念ながら2020年に続き2021年も祭車・鉦・太鼓の登場は中止となり、音のない8月となりました。
しかし、石取祭のすべてが中止になっているわけではありません。石取祭の核の部分とされる「石を取る祭り」は昨年も今年もしっかりと続けられました。

写真の俵の中には、石がぎっしりと入っていて、通称「献石俵」と呼びます。

この石は桑名市を流れる町屋川に転がる川原石で、それを各町の代表者が川原で拾って俵に詰めます。その後、石取祭を執り行う桑名宗社(春日神社)に奉納します。

なぜ石を拾って奉納するのか?
すでに長い歴史の中でその理由ははっきりしていませんが、石取祭の最古の記録が残る江戸時代初期には祭車の曳き回しや鉦・太鼓の叩き出しは存在せず、この「石を取る神事」だけだったといいます。石取祭の名前の由来は石を取ることにあったのです。

私の地元である富田地区にも石取祭があり、自治会で石取祭をどのように実施するかを思案した結果、桑名と同じく、石を拾う神事だけは行うという決断をしました。
現在、図らずも石取祭の原初の姿を私たちは目の当たりにしているのかもしれません。

「北勢“石”物語⑥」より(『はちぽす』2021年9月号)

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