2022年5月15日日曜日

荒尾の亀石/亀岩(愛知県北設楽郡設楽町)


愛知県北設楽郡設楽町荒尾


設楽町指定天然記念物。

登り口から比高差20mほどの小高い丘を登り切ったあたりにあるが、登り口に案内地図などがないため、アクセスルートを紹介する。

亀石の登り口

Googleマップに表示したとおり、車道沿いに上写真の非舗装の分岐道を見つけたら、そこが亀石の存在する丘である。路肩駐車は普通車でも可能だが、作業用トラックなども出入りする道のため配慮が必要だ。

写真中央の丘の上に亀石がある。

ちょうど上写真の正面の丘がそれである。

特に明瞭な道はなく、頂上に向かって登って行く。

写真の向きから言うと、頂上そのものではなく頂上やや左(東)の山頂直下を目指して登れば見つかりやすいと思う。




亀石の現地には標示が立っており、「砂岩の露頭の一部分が差別浸食され、硬い部分が亀の形のように残った自然の妙ともいえる大変珍しい石である。」とある。

探訪時は、設楽町旧名倉村域の岩石信仰調査の一環で大谷大学の鈴木寿志教授に同行いただいたが、亀石は名倉村域から外れるため本記事で紹介する。

鈴木教授の現地観察所見によれば、岩石の種類は粗粒砂〜細礫を含む塊状無層理の砂岩で、亀の頭と周囲の窪みがどのように形成されたかは、日没間際で短い時間だったこともあり判断を保留されていた。


亀の頭の下を支えるように別の石が挟まっているのが確認できる。

鈴木教授は、人工的に一部補修した可能性も指摘されていたが、このあたりも確定情報ではないことを了承されたい。



亀の頭の裏側斜面に回ると、そこには洞穴上の窪みが開いており、洞穴入口に「亀岩」の二字が刻まれていた。

字の刻みはおそらく近現代の所産と思われ、現在は「亀石」の名称が公式だが、当時は「亀岩」で呼ぶ人も多かっただろうことが想像される。




また、亀石の南東に隣接して上写真のオーバーハングした岩陰が存在する。

岩陰の中央には、平たい石を直方体状に石積みしたものがあり、これが何を指すかは情報収集不足でわからなかった。

現状として、祭祀に用いられているような様子は確認できなかった。

丘の頂上

亀石の丘を登り切ったところには上写真のようなベンチが残っていた。

観光地化されていた時期もあっただろうことが窺われるが、先述のとおり現在は整備が行き届いていない印象を受ける。

まさに奇石であるので、せめて登り口に案内看板が設置されることを願っている。


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