2020年1月12日日曜日

笠石大明神(山梨県山梨市)


山梨県山梨市牧丘町西保中芦の沢

笠石大明神は笠石神社とも呼ばれ、芦の沢集落の鎮守である。

集落に入ると、数人の大人に引き連れられて大勢の子供達が集まっていた。どうやらお祭りの最中に偶々訪れたらしい。

祭りをされていた方々に尋ねたら、地区内の一軒一軒で獅子舞を演じて、その家の厄を祓っているのだとおっしゃる。
太鼓を叩く子供達と囃子唄も伴う。
元々は小正月(1月15日)に行なっていたらしいが、子供の集まれる休日の方が良いという理由で、探訪時(2008年)は日曜日の1月20日に執り行われていた。

何軒分か私も祭列に混ぜさせていただいた。聞くと朝の6時から夕方の5時まで、約70軒をこなすのだとか。祭りをさらっと見ている分には見過ごしてしまいそうだが、神楽自体も4種類あり、1つ1つがしっかりしたものだった。

さすがに全軒付き合っていたら夜になってしまうので、一足先に抜けさせてもらい、笠石大明神へ向かった。

写真中央の鳥居奥が笠石大明神。集落の上、山の端。

芦の沢集落の一番奥、山の入口に控えているのが笠石大明神である。
祭神は天照大神で、覆屋の中に鎮まる社は室町時代末期の作風と推定され、県指定文化財となっている。

教育委員会設置の看板

社殿の背後斜面に、数体の岩が顔を出している。




岩には亀裂が横切っているものが複数あり、それが結果的に「積み重ねた」ようにも見える。
笠をかぶせた様子にも準えることができ、笠石の名前がこの光景から由来していることが容易にうかがえた。

これらの岩々に特定の伝説や神格などは付帯していないようだが、山の端に立地して集落を見守る位置に鎮座することや、岩群の前に社殿を築いたことなどは、社殿以前に山の神に根差した岩石信仰が先行していたことを示す典型的な岩石祭祀の場と言ってよい。

また、下記のwebページによれば、笠石の上で5月5日に子供達がお重を食べる風習があったことを聞き取っている。

風と土の記録 笠石大明神~山梨三大石~

これは、同市山根地区にある八嶽山神社の夫婦岩で私が聞き取った風習とまったく同じであり、地域一帯では端午の節句において、岩石の上で子どもが母親の作る特別なハレの料理を食べて(おそらく)成長を願うという一種の信仰があったことをにおわせる。

八嶽山神社・夫婦岩・奥の院天宮神社(山梨県山梨市)


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