2019年7月21日日曜日

八嶽山神社・夫婦岩・奥の院天宮神社(山梨県山梨市)


山梨県山梨市山根



八嶽山神社の祭神は大山咋神(山末之大主神)。
御天狗様とも呼ばれている。
拝殿には修験道の影響色濃い独特の唱言が掲げられていた。雨乞いの呪文だという。



拝殿は麓にあり、本殿は奥宮や奥の院と呼ばれ、背後の大平山の中腹に離れて鎮座する。

訪れた日(1月20日)が、たまたま年に一度の八嶽山神社例大祭の日で、氏子の方々が練り歩いている最中だった。
そのとき伺った話も織り交ぜて紹介したい。

八嶽山神社から背後の山(大平山の一峰)を仰ぐと、山腹に注連縄の付けられた巨岩を見つけることができる。






現地看板には夫婦岩(めおといわ)と書かれているが、祭りに参加していた氏子の方に話を聞くと「めおと」ではなく「みおと」と言っていた。

その氏子の方の話によると、子供の頃は5月5日に夫婦岩の上へ座り、そこで母親の作った重箱のお弁当を食べたことがある。祭祀に関わるというよりは、古き良き思い出を聞かせてくださった。

探訪時は、夫婦岩が麓からもよく見えた。
これは夫婦岩が見えるように、有志の方々が手前の樹木を刈り取っていると教えてくれた(元々あまり木々はなかったそう)。

夫婦岩の辺りまでは神社の土地で、そこから上は個人所有の土地だという。だから夫婦岩より上の樹木には手を入れていないのだそうで納得の光景となっている。


さて、夫婦岩からさらに山を15分ほど登ると奥の院がある。
奥の院へ行くには、夫婦岩の奥の獣道を直登するルートと、近くを通る農道を利用して途中まで車で登れるルートがある。
アクセスが容易なのは後者だが迂回ルートでありやや時間をとる。
一方で前者の直登ルートを選ぶと、目印もなく上を目指すだけなので道迷いに注意だが、途中で累々と散在する岩群を見ることができる。





これほどの巨岩群が名前もなく密集している。

この巨岩群をかき分けるように登りつめると奥の院に到達する。

奥の院は山腹にあり、天宮神社の異名もあるようだ。
社殿の背後には、巨大なオムスビ形の巨岩が控えている。





氏子の方に、奥の院後ろのこの巨岩は何と呼ばれているか尋ねてみたが、巨岩自体に名前はつけられていないという。
由来のような話も伝わっていないようだが、岩群の中にひときわ突出する規模の巨岩に本殿を構えようとした心性は想像に難くない。

一方、奥の院に向かうもう一つの車道ルートだが、その舗装路の終点に、小ぶりの岩石が注連縄と若干の供え物を以てまつられている。こちらの由来は聞き取りできていない。



また、奥の院から西へ直線距離で約250m離れた山腹地点に妙見神社という場所があり、こちらも巨岩を抱く霊地らしいが、探訪当時は存在を知らず未訪のままである。

妙見神社へ向かう道については、当サイトの情報募集ページでkuroyasuさんから情報提供いただいているので紹介したい。

kuroyasu2017年2月9日 17:20

ご著書拝読させていただきました。八嶽山神社奥宮は天宮神社です。妙見神社へは夕狩沢からの登山口があります。
八嶽山神社へは神社からの通路(日頃は獣除けの網があります)奥に旗竿があり、その付近に石段があります。
奥宮の御神体左から尾根伝いに妙見神社に行けます。麓から見える神殿のような建物は背後の岩を拝むためのものと思われます。

余談だが、戦前の巨石探索の神秘家として有名な荒深道斉氏は、御前山の頂上にある岩群や、近くの兜山の麓にある御幸石という石なども取り上げているようで、八嶽山神社の周辺一帯の岩石信仰の密度には注目すべきものがある。


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