奈良県桜井市与喜山(2002年~2017年)、愛知県北設楽郡設楽町(2019年~2023年)に続く、次の調査地です。
前作でアウトプットできるものを大体吐き出したので、しばらく特定の地域に没入します。
特に、ある程度長期的な時間軸の中でそのフィールドに根差さないと、わからないことが多いという実感があります。
近年、アームチェア的なデータ分析が続きました。その反動で、今度は特定地域の特定事情を捨象せず拾い上げられないかと思うわけです。
昔どこかで書いたことがありますが、研究というより、「現在の記録」という視点にシフトしたいという気持ちが強くなってきました。
過去の前に、そもそも現在の理解でさえ雲をつかむようなところがあり、現在の岩石と人間の精神的関係にもうすこし目を向けてからでないと、過去の歴史を研究するのは「暴力的なものがある」と感じる段階に来てしまいました。
どうしても趣味の範囲でやるしかないので、専門研究者のように数か月間その集落で暮らせず(つまり参与観察に至れない)、休日に通える範囲でないといけません。今のところ候補地は
尾張本宮山地域(愛知)
都祁地域(奈良)
近江富士地域(滋賀)
いずれも隣県です。本当は三重県北部地域で見つけられればいいのですが、まだ出会えず(いつか巡り合う余地を否定せず)
尾張本宮山は断続的に調べているのですが、掘り下げるほどに興味深い地域です。『尾張名所図会』と現在の本宮山を見比べるだけでも複数の論点を見出すことができます。名所図会と現在の登山ルートが違い、今は山腹に広大な採石場があるので山の様子が辿りにくく、信仰と生業の関係性で現在も含めた歴史を語れるエリアです。
都祁地域は、数年前に映画取材の関係で掘り下げる時期がありましたが、都祁のみならず周辺の長谷・室生・奥三輪も含めると壮大なテーマです。かつて近接する与喜山地域をフィールドにしていた杵柄はありますが、大和高原は歴史的に「古代ロマン」に彩られたフィールドでもあるので、数多の通説に振り回されないという点では難敵かもしれません。
近江富士(三上山)地域は、先日の赤色立体地図の記事で妙光寺山の「前方後円地形」を取り上げましたが、奇しくも先日の報道も重なりました。滋賀県守山市伊勢遺跡を越える(?)弥生時代最大級の「神殿跡」と銘打たれた中畑・古里遺跡が、ちょうど妙光寺山の西麓なのです。当HPの「情報募集中」のページでも近江富士情報をいくつか募集していますが、これらがどのように絡み合うのか考えると調査の宝庫です。ただ、最新遺跡を含むのでこちらはしばらく推移を見ますし、考古学の専門の方に任せた方がいいのかもと思っています。
以上三地域の歴史に関して、何らかの情報をお持ちの方や、現地に詳しい方がいらっしゃいましたら、些細なことでもお聞かせください。皆様の情報も踏まえて調査地を決めます。
なお、現在学をやりたいという私の今時点の問題意識から言えば、最初に挙げた尾張本宮山が第一候補です。
それでも三地域を紹介した理由は、私の体は1つなので、ほかの方で調査していただける方がいればそれでもかまわないという思いからです。
私は、自分の研究や調査を独り占めしたいという欲望が薄く、調べたことや分かったことは公共に広く知られてほしいと思っています。だから、私の代わりにだれか解き明かしてください(でも誰もやってくれないなら自分がやる)の心持ちです。
昨年あたりから報道のとおり熊が出やすくなり、念のため山に行くのを控え続けています。
長野県の「郷土石特集号」の事例地を巡るという旅程も計画段階までは終わっているのですが、結局、行けないままとなっています(こちらは単純な探訪旅行です)。
このように、探訪もままならず牛歩的に時機を待つ日々ですが、当面は水面下で調査を続けます。いつかはこれらが結びついて巡り合う機縁もあるかと信じて書かせていただきました。ご情報などお待ちしています。
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